医療保険と介護保険の違い。同時には使えません！ (2)

医療保険と介護保険が併用になる場合

家で高齢者の介護をしており、ヘルパーさんに来てもらったりデイサービスを利用している場合には、それらの介護サービスを介護保険適用で利用できます。でもその高齢者が風邪を引いて病院に行ったら？　このときは医療保険を使って、お医者さんで薬を処方してもらうなどします。同じ時期に、あるいは、同じ日に、介護保険と医療保険を使うことになりますが、用途によって、それぞれ、医療保険と介護保険が使われるだけです。 ...

混乱するのは、認知症の場合です。

認知症の場合

父のように興奮状態が収まらなかった場合には、処置してもらう必要も出ます。認知症には、投薬治療が行われることもあります。これらには、医療保険が適用されます。

認知症で病院に定期的に通院しており、毎日薬を飲んでいる高齢者の中には、家にヘルパーさんに来てもらったりデイサービスに通っていたりすることがきっとあるでしょう。家族は、高齢者の認知症対策として「薬」や「デイサービスやヘルパーサービス」を利用しながら生活しています。

介護する家族からしたら、どちらも認知症対策として必要なことであり、一緒くたに考えたくなります。しかし「保険」は別々です。薬や検査など、病院での支払いに適用されるのは医療保険、ヘルパーやデイサービスなど介護福祉業者への支払いに適用されるのは介護保険です。このような場合、両方の保険の適用をそれぞれに受けていますが、病院なり介護福祉業者なりひとつの場所に、医療保険と介護保険をダブルに使って費用を安く抑えられるということはありません。

医療と介護。自己負担割合が違う

父が入院した２日後に、市の福祉課で「今すぐ要介護認定を受けてください」と言われ、「高齢父の入院には、介護保険も必要なのか？！」（間違えです）と、頭の中がはてなマークでいっぱいになった私たちですが、父の４ヵ月間の入院、退院、介護保険サービス（デイサービス）の利用、といった流れの中で、スッキリ頭も整理されていきました。

父は86歳。後期高齢者で医療保険の自己負担割合は１割。でも、介護保険は２割負担です。介護保険は、医療保険とは違うルール（決定方法）で自己負担割合が決められるため、異なる場合がでてきます。そんなことも、実際に介護保険証なるものができてきて初めてわかったりもしました。（調べれば事前にわかるという話もあるけれど、それを知るには、夫の実家の年収を両親がまだ元気なうちに聞きださなければならず、それを事前にするのはちょっと・・ということもあると思う。）

仕方がないとは言え、ややこしいですね。母は80歳。同居する父が突然狂ったような状態になりそれだけでも大変なのに、こういう制度的なことを理解するのは完全に無理な状態でした。その点、こちらが代わって勉強しながらサポートして・・といった毎日でしたが、そんな母も、今では落ち着き、介護保険のことも、それなりに理解できるようになったようです。

事前に勉強が必要？ある程度はね。でも・・

私も、両親が高齢になってきて、「両親に介護が必要な状態になったら、市の福祉課に行ってまずは要介護認定を受けさせるといいんだな・・」などと心づもりをしていたつもりでした。しかしまさか父が、精神病院の閉鎖病棟、しかも隔離室に「強制収容」されるような形で介護問題が勃発し、今後退院できるかできないかもわからない。しかも、あんなに世話好きだった母が「退院してもらっちゃ困る。同居はもう嫌だ」と父に完全なる拒絶反応。家庭崩壊。一夜を境にそんな状態になることは全くもって想定していませんでした。

勉強不足と言えば勉強不足なのかもしれないけれど・・でもその場になってみないとわからないことってあるよな～とつくづく思いました。あらゆるケースを想定して準備したり勉強してわけになんかいかない。先々起こるかもしれないことに備えるより、今起きていることに向かい合う方が大事！・・・そんなことを思いました。

夫は、「介護って、なるようにしかならないもんだね～」というのが感想のようです。ホントそうだな、と思いました。ある程度、流れに身を任せるような気分でないと、やっていられないのが「介護」なのかもしれません。

私は今回ことで「人生何があるかわからない！」と思いました。この先両親にも、私たちにも、何が起こるかわからないけれど、準備し過ぎたり心配し過ぎて今を楽しく生きられないよりも、問題が起きたときに「よっしゃ！」と、その時その時にベストを尽くす。それしかないし、それでいいんだなと思いました。

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