自己顕示欲の強い親 子供をacにする家庭の実態 (2)

自己顕示欲の強い親 子供をacにする家庭の実態 (2)

そんな父は、娘である私のことも人に自慢したがりました。私は、特別頭のいい子で、特別気の利く優しい子。非の打ちどころのないイイコ、ということになりました。 ...

習い事をすると言えば、近所の先生ではダメで、電車で1時間もかかる「一流」の先生のところまで私を通わせ、それを自慢して回りました。私の通信簿を、親戚中に見せて回るのも恒例でした。成績がよくなかった弟のことは、完全無視でした。

私が大学受験で、第一志望の大学に落ちたとき、父が開口一番言ったのは「嘘だろ?困ったな」でした。人に自慢できなくなったから、父は困るんだな、と思いました。大学に落ちたことよりも、その父のひと言にひどく傷つきました。

そんな私は、ずっと生き辛さを感じていました。親から愛されている気がしないのです。孤独で寂しくて、親からいつか見放されるんじゃないかと不安で仕方ないのです。父に言わせれば、こんなに「特別」な家庭に生まれ、私ほど幸せな子はいないはずです。不満を言ったこともあったけれど、いつでも父は「お前は、贅沢すぎる」「お前は親に求めすぎだ」と私を叱りました。

しかし私は、何も間違っていませんでした。生きづらさを感じ続けて当然だったとわかったのは、ずっと後のことでした。

私は、30歳を過ぎて、になりました。私は、ごくごく普通の人と結婚し、ごくごく普通の生活をしています。そんな自分に自信が持てなくなってしまったのです。

父からバカにされているような気がしてなりませんでした。実際父は、夫のことをバカにしていました。夫が勤めている会社はくだらない会社で、稼ぎが悪い夫は無能。夫の実家の人は「ただの貧乏人」・・父はそう言いました。私は次第に、子供の頃から付き合っている友達も、今の自分をバカにしているのではないか、と思うようになりました。そして世の中の人もみな・・。

父の言っていることは変だ、間違ってる、と頭ではわかっていました。でも気持ちが言うことを聞きません。落ち込んでいく一方でした。

謎が解けたのは、それから約3年後、「アダルトチルドレン」という言葉を知ったことがきっかけでした。私は幼い頃から、父の自己顕示欲を満たすためだけの存在として育ってきました。そんな私は、父の「自慢のネタ」にならないような自分では、価値がないと思い込んでいました。ありのままの自分を愛された経験のない私。人格形成上重要な時期に、父から利用され、それ以外の生き方を知らない私。だから、頭では父の言っていることはおかしいとわかっていても、いざ自分を立て直そうにも、自分が無価値にしか思えなくなっていたのだと思います。

「ありのままの自分を好きになるってどういうことんだろう」・・何日も、いえ、何ヵ月も考え続けました。「歌の歌詞に、キミは特別~♪とか、よく出てくるけど、それは間違ってるってこと?」。考えれば考えるほどわからなくなっていたけれど、今の私にはわかります。「キミは特別だよ」と愛する人に言うその言葉は、どこかがホントに特別じゃなきゃダメってことではなく、イイトコロも悪いところもあるごくごく普通の人が、その人にとって、なくてはならない特別大好きな存在だ、ってこと。

私は、本心では、自己顕示欲の強い父にうんざりしていたんだろうと思います。私が結婚したのは、「自分は特別」などと言いたがることもなければ、思ってもいないであろう、自然体そのものの夫。

「イケメンじゃなくても、高収入じゃなくても、自慢できるようなところがあるわけじゃなくても、この人が好きって言う気持ちは変わらないな。人に自慢できるような夫だから、好きなんじゃない。そうだとしたら、それは、本当の『愛』じゃない」。

「よくわかってるじゃない~?」。のほほんと夫が言いました。「僕も、あなたのこと、そう思ってるんだよ。あなたは普通。凡人(笑)! でも僕にとって、この上なく特別な人」。自分のこともそんな風に好きになれたなら、それが「ありのままの自分を愛する」ってことなのかな・・。やっと私にも、わかってきました。

私はアダルトチルドレンから、確実に回復しています。


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