見て見ぬふり。子供に薄情な親 (2)

見て見ぬふり。子供に薄情な親 (2)

子供を虐待する親は、配偶者に対してもモラハラ・DV的な態度を取っていることが多いのです。この人も言います。 ...

「母は、父を怒らせることを怖がっていました。母自身も、父を怒らせないようにしていたし、父が怒ると、ごめんなさいごめんなさい・・と言っていました。母の頭の中は、自分の身を守ることでいっぱい。私をかばうなんて、とても無理だったんだと思います」。

しかもこの人は、母親からこうもよく言われていたと言います。

「母はよく、お父さんはああ見えて、あなた(子供)のこと、とても大切に思っているのよ、と言っていました。確かに優しいときもある。だから、父に寛容にならなければならないと思ってしまいました」。

夫に虐げられている妻ほど、子供にそのような「説得」をします。自己保身のために、自分の家庭に問題はない、ということにしておきたがるのです。「確かにそこに存在している問題」から目を背けることも、子供を虐待する家庭によくあることです。

この人は、今では見違えるほど明るくなり元気です。どのうようにして、虐待のダメージから立ち直ったのででしょうか。

「きっかけは、自分のされてきたことが虐待だと気づいたことでした。私はずっと、私に暴力を振るう父のことを、『お父さんは悪くない、怒らせた私が悪い』と思っていました。私のことを守ろうとしなかった母のことも、『お母さんだって大変なんだ。お母さんに迷惑かけちゃいけない』と思ってきました。それは間違っていました」。

彼女はキッパリ言いました。「父のしてきたことが虐待なら、薄情な母の態度も虐待です。両親が私にしてきたことは、間違っていたと思います」。その気持ちが、今の彼女の生きる支えだと言います。

「違う親に生まれていたなら、私はもっといい人生を送れたかもしれません。悔しいと思いました。今まで苦労した分まで、幸せになりたいと思いました」。

最近では「自分を大切にする」ということを心がけていると言います。「私は、親に大事にされたことがないので、自分で自分を大切にするということがどういうことなのかもわかりませんでした。やってみれば、意外と簡単なことでした。やりたいことをする、やりたくないことはしない。自分の気持ちに正直にいるように心がけています。やりたくないことをしなくちゃいけないこともあるけれど、そんなときには、『自分にご褒美』で好きなものを買うことにしています」。

親とは、極力顔を合わせないようにしているそうです。「以前より明るくなり、自分に自信が持てるようになった私の変化を、両親は、こころよく思っていないようです。でもいいんです。友達もでき、ちょっとずつ生きてて楽しいと感じられるようになりました。苦労の多いこれまでだったけれど、人生の最後に、『生まれてきてよかった!』と笑いたいと思います」。


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