暴力を肯定する母親。子供への影響とその末路 (2)

暴力を肯定する母親。子供への影響とその末路 (2)

「お父さんの仕事はとても大変なの。だから、ストレスがたまって家でイライラするのよ。でも、あなたにいい暮らしをさせたいということだけが生き甲斐で、仕事がんばってるのよ」。そんなときの母は、まるでこう言いたげでした。「だから、暴力振るわれても我慢して」。 ...

今考えればおかしな理屈です。会社でいくらストレスがたまっていても、家で暴力を振るう言い訳にはなりません。それに母も。母は、暴力を振るわれている私を守ってくれたことが一度もない。むしろ父のご機嫌を取りました。私は思っていました。父のご機嫌を取ることで、暴力が収まる。それが結果的に私を守ることになるから、そうしているのだろうと。

でも最近気づきました。そうじゃない。母は、父の暴力をなかば肯定していたんだと思います。父から捨てられたら、生活していけない。だから私にも、それに耐えろ、と言わんばかりのことを言っていた。

本で読みました。これは、虐待の典型的な構図なのだそうです。私は、虐待されていたのかもしれない・・と初めて思いました。

私が読んだ本にあったのは、父親から性的虐待を受けた少女の話でした。母親は知っていたのに、決して守ろうとはしなかった。むしろ「私では、お父さんを満足させられない。だから我慢して。お父さんに捨てられたら、私たちは路頭に迷ってしまうから、我慢して」と少女に言い続けた母親の話でした。

私は、その話が自分とソックリ同じだとは、すぐには思えませんでした。その少女があまりにもかわいそうで、私なんかまだいい方だ、だから我慢しないと、と思っていました。

私も、形こそ違えど、同じ被害者なんだと思えたのは、それから4年後。でも、それを境に私は、今まで感じていた生きづらさが、嘘のように薄れていきました。

私は今、生きていて一番幸せです。親のしてきたことは間違っていた、と胸を張れることが、こんなにも自分を自由にし、自信を持たせてくれるものなのかと、驚いています。私はまだ、両親を許せる気にはなりません。「一生許せないなら許せないでいいんだよ、とあの本にも書いてあったな」と、その一文を思い出します。


参考
*1: Bass, Ellen; Davis Laura 『Beginning to Heal: A First book for Men and Women Who Were Sectually Abused As Children』

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