すぐ不機嫌になる母親

「親心」を子供に押し付けた毒母

母は、私に悲しいことがあると不機嫌になる人でした。 ...

私は子供の頃から、どんなに悲しくても辛くても、それをひた隠しにし笑っているような子どもでした。私はいつも「自分は辛くなんかないし、悲しくなんてない。私は大丈夫」と、本当は泣きたいような気分なのに、無理をしていたと思います。

母は、私に悲しいや辛いことがあると不機嫌になる人でした。母はそんなとき、怒ったようにこう言いました。「お母さん、そういうの嫌いよ」。母はこうも言いました。「お母さんは、あなたにはいつでも幸せでいて欲しいの。それが『親心』なのよ」。

どうやら母の「願い」は、「私に悲しいことや辛いことが一切ありませんように」ということのようでした。子供が悲しそうだと、自分も悲しい。一刻も早く、自分のこの不快な気分を解消したい、ただそれだけのように感じられました。子供を励ましたり、勇気づけたりすることの一切ない母でした。

「お母さんを悲しませたくない」。私は、悲しい、辛い、といった負の感情をひた隠しにするようになりました。それは私なりの「親を思う気持ち」でした。 [...]