子供に自分の理想を押しつける毒親 (2)

久しぶりに実家に帰り、仕事のこと、趣味のこと、家庭のこと・・おもしろおかしく母に近況報告をしていました。しかし、興味を持てば何にでも挑戦する私のことです。母には、その話が気にらないようでした。「あなたって人は・・お母さんは、あなたを箱入り娘に育てたかったのに！」。母はため息まじりに、１０年以上も前の私が就職・結婚したての頃の話を持ち出してきました。当時私は母に、こう言ったのだそうです。「世の中には、いろいろな考えや立場の人がいるんだね。私の価値観がすべてじゃないってことを知ったよ」。「それを聞いてお母さん、ショックで卒倒しそうだったわ。お母さんは２０年以上の年月をかけて、あなたにいい価値観を植え付けたのよ。その苦労が水の泡よ！」。 ...

未知の世界へ飛び込むことが好きな私の性格が、自分の視野を広げ、自分を成長させている、そう信じていました。しかし、それが母の目には、堕落していっているように見えていた。私が思っていた長所は、そう思っているのは自分だけで、他人から見たら欠点なのだろうか。みんなそんな目で私を見ていたのだろうか・・。自分が恥ずかしくなり、堂々と外を歩けないような気分に襲われました。

うつ状態の私を救ってくれたのは、不器用な主人の心のこもった言葉でした。「あなたの魅力は興味の幅が広くて行動力があるところ。あなたと一緒にいると楽しい。僕の世界を広げてくれてるのはあなただよ」。そして思い出しました。昔、上司に言われた言葉。「どんなプロジェクトを割り当てても前向きに一生懸命取り組んでくれるから、あなたに任せておけば安心、いつもそう思ってあなたのことを見てる」。

親が認めてくれたなかった私の長所を、ちゃんと認めてくれている人がいる。今度は私自身が私のいいところを認めてやらないと。「これが私なんだ、これが私の長所なんだ。母がなんと言おうと」。今度こそ親から何を言われてもゆるがない本物の自信を身につけたいと思っています。

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