【認知症父の入院8】もう精神病院には連れていかない! (2)

【認知症父の入院8】もう精神病院には連れていかない! (2)

自分の病気を息子に知られたくないと思っている父

入院して1ヶ月半くらいのときだと思います。面会に訪れた母に父は「○○(息子の名前)は(自分が入院してること)知ってるの?」と聞いたそうです。母はとっさに「知らないよ」と答えたそうです。「DV男&毒父」な父のことだから「見舞いに来い!」ってことなのかと思ったら、そうではなさそうだ、と。母いわく「恥ずかしそうな感じで言ってた。知られたくないのかも」と。 ...

私たち息子夫婦は、病院にも顔を出すこともなく、父に電話もしませんでした。母とは毎日のように父についての「アップデート」情報を聞き、今後の方針や対処を話し合っていましたが、父には「息子夫婦は何も知らない」ということにしておきました。

最後まで何も知らないままじゃ不自然だろうと思い、「最近知った」ということにして退院した日の夜に、夫が実家に電話しました。「オヤジ入院してたんだって? おふくろから聞いてビックリした。何もできなくて悪かったな。見舞いとか行けなくてごめんな」。

父は母から「仕事とかいろいろ忙しいみたい」と聞いていたようで、「俺のことはいいんだ。それよりお前のところ大丈夫なのか? お店は営業できてるのか? 屋根壊れて修理しなくちゃいけないって聞いたぞ」と、自分のことは何も言わず、私たちのことを心配して電話を切ったそうです。

いつもの父なら、「俺は、4ヵ月も入院してたんだぞぉ~」と、あることないこと全部自分の武勇伝にしてしゃべり続け、閉口させられる・・という展開になるはずなのです。父のその反応は、かなり驚きました。認知症なの?と思っていた父が、自分のことより私たち息子夫婦の心配をしてくれたことにホッとしたし、うれしかった。でもそれ以上に驚いたりショックだったのは、父の態度が明らかに、自分の入院について私たちに話したくないと思っているし、あまり知られたくないと思っているということ。父は「入院したときのことが思い出せない」と言ってもおり、精神病院に入院したことを、ひょっとしたら恥かしく思っているのかも・・と父の心中を察しました。

父を精神病院に連れていくのは酷だと思う

認知症が疑われるような高齢者だって、そういうことを悩んだりするのだな、と当たり前のことを再認識させられました。「どうせ高齢だから」「ボケてるんだから」などと思わずに、その人の気持ちを大切にしてあげなくちゃいけないなと思いました。父に「精神病院へ通院しろ」と言うのは酷だな、と私は思いました。父は自分はもう治ってると思ってる。そう言われても傷つかないくらい壊れちゃってるなら連れて行けても、父はまだそうじゃない。

これから先、「指示を守って通院させておけば・・」と思うような事態が発生する可能性がないとは言えません。それでも私は、最終的に夫が下したこの決断を100%支持したいと思っています。先のことはわらかない。病院はあぁ言い、母は父を精神病院に通院させたがり、しかしそれをしたら父が傷つく・・難しい状況の中で、あのときできる最良の決断をしたと私は思ってると夫に言うと思います。

父は、外面は異常にいいのだけれど、家の中では明らかに「毒父」で、嫁である私も、実家に帰るたびに泣かされました・・! 夫は、子供の頃から、精神的にも、経済的にも、ときには暴力も・・相当苦労させられてきているのを知っています。恨みたくなることだってたくさんあった、内心今でも恨んでいるかもしれない父親に対して、夫が見せたこの優しさは、嫌なことばかりだったこの4ヶ月間の中で、数少ないいい事だったかなと思います。

なぜ病院は言うことを180度変えたのか

本当に、気分の悪い病院でした。父、85歳。母、80歳。患者家族である母は、主治医の先生と直接話がしたいと4ヵ月間言い続けました。しかし、それが叶えられたのは退院前日。電話くれると言ったのに、平気で約束を破る。せめて検査結果や病名くらい、早く教えてよ。なぜそんなに避けられなくてはいけなかったの?(私は本気で、この先生は対人恐怖症なんじゃなかろうか、と思っていたくらいです。)

母と話ができたのは、Fさん(イニシャルではありません)という女性、自称「相談員」。しかし、ケースワーカーでもソーシャルワーカーでもなく、「退院後生活環境相談員」でした。Fさんがしてくれたのは、早期退院を促すことばかり。病気の父を厄介払いしたがっているかのようで、病院ってそんなに冷たいところなの?と気分が悪かった。

Fさんを個人攻撃するつもりはないけれど、病気の患者をさっさと病院から追い出すことが使命のお仕事だなんて、随分ブラックだな・・と思ってしまう。そして病院も。「退院後生活環境相談員」だなんて、いかにも患者と患者家族の立場に立ってくれそうな肩書の人を差し向け、その人としか話ができない状況に置くなんて、本当に汚い病院だと思います。

それだけではありませんでした。「なぜ病院は言うことを180度変えたのか」、その理由と思われる事実が、退院後、次々と明るみにでました。

行政(介護保険サービス)に違うことを言っていた

退院後、父が介護保険サービス利用者となり、ケアマネージャーさんやデイサービスのお世話になるようになって、病院が行政側に、随分と父が重篤な精神病疾患者であるかのような報告していたことがわかったのです。

病院は、退院直前になって突然「通院しろ」とか「再発する」とか言い出したのだけれど、それは父の容体とは関係のない話で、病院、あるいは主治医の保身のためだったのではないか・・そう思わざるを得なくなったのは、こんな出来事の数々でした。

次に続く・・。


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