【認知症父の入院5】診療明細書で病状を調べてみる (2)

【認知症父の入院5】診療明細書で病状を調べてみる (2)


レミニールが同量でています。便秘薬が「アミティーザ」から、市販薬としてメジャーな「ビオフェルミン」に途中から切り替わった模様です。 ...

入院4ヵ月目の治療内容


そして入院4ヵ月目の3月(要介護認定の判定を入院しながら待っていた期間)には、完全に薬が「レミニール」だけになりました。便秘の薬さえ出ておらず、何十年も悩み続けていた父の便秘はこの4ヵ月の入院で(なぜか精神病院にて)解消した模様です。

そして↓が、最後の(4月分)の診療明細書。父は4月2日に退院しています。レミニールが21回分。退院するときに渡された3週間分の薬は「レミニール」であることがわかります。

父は回復していた!

診療明細書を見る限り、父は4ヵ月間の入院で、順調に回復したように見えました。しかも、重篤だったのは最初の1ヵ月のみ。せん妄(「ネズミが出た」と幻覚を見るような症状)を抑えるのに使用されたと思われる統合失調症の薬や睡眠剤は、2ヵ月目から全く出ておらず、病状は落ち着いていたものと思われます。

母は、1月から2月(入院2ヵ月目から3ヵ月目)にかけて、「地元のS病院に転院させる予定だ」と繰り返し言われていましたが、2月の半ばに突然、転院先の病院に断られたから、という理由で「退院してください」と言われます。なぜ退院なのか。転院予定だったってことは、まだよくなっていないってことでしょ?「転院先を探してください」と訴えた母に、担当のFさん(退院後生活環境相談員。医者、看護師ではありません)は、「もう何もすることがないので・・」と言ったそうです。

この診療明細書を見ると、確かに、入院2ヵ月目以降は便秘の薬とレミニールしか出ていません。「何もすることがないので」という言葉はあながち間違えではなかったのかもしれません。しかしだからこそ、主治医の先生には、それを直接患者家族に説明して欲しかったと思います。こうして診療明細書を並べてみれば明らかでも、それがもらえるのは、その月の支払いが済んでから。1ヶ月以上先なのです。私たち患者家族には、お医者さんから説明してもらえない限り、父がどんな病状なのか、どんな薬を飲んでいるのかその時にはわかりません。

父はもう85歳です。完全に治して欲しいだなんて、母も思っていなかったと思います。ちゃんと説明して欲しい、お医者さんから直接説明を聞きたい、ただそれだけでした。その証拠に、母は私が「最近は、精神的な病気にもいい薬がたくさんあるみたいだよ」と言ったことをきっかけに、頑なだった態度を軟化させました。

「施設に入れてしまいたい」と言う母の説得

母は、父がこの病院に入院したとき、自宅で「ネズミが出た」と幻覚を見ながらハサミを振り回し、止めに入った親戚の男性を殴って怪我させ、母自身も父から別人のような目つきで睨まれ唸られ、相当怖い思いをしています。「お父さんとはもう一緒に暮らせない。退院後は施設に入れたい」と頑なでした。

私が母とそのことについて話をしたのは、ちょうど転院だと思っていたのに突然退院だと言われ、大わらわになっていた頃のことでした。「このまま退院させられちゃうと困ったことになるけど、どうしよう・・」と気をもんでいた私は、母に電話で聞きました。「お母さんは、お父さんとはもう暮らせないって思ってるんだよね?」。母は言いました。「そういう病気は、治らないと思う。だから無理かなと思う」と。

あぁそうなのか。と思いました。精神的な病気は治らない・・それはちょっと偏見が過ぎるな!と思いました。でも、そういう偏見があるから、母は、一度せん妄騒動を起こした父を「またやるに違いない」という目で見てしまっている。それが「お父さんを施設にやってしまいたい」と言い張っている根本にある。私は翌日、母にもう一度電話をしました。

「お母さん、最近は、精神的な病気にもいい薬がたくさんあるみたいだよ。12月と1月の診療明細書を見たら(診療明細書は支払った後にもらうので、前月までの情報しかありません)、お父さんが飲んでる薬がわかったよ。ネットで調べたら、認知症の薬とか、幻覚を抑えるような薬とかだった。そういう薬が効いていて、お父さん、今、落ち着いてるのかも。今度主治医の先生に、お父さんがどんな薬を飲んでるのか聞いてみるといいよね!」。

母は、この会話の後から「ひょっとしたら家で看れるかも」と思い始めたようで、介護施設一辺倒ではなくなりました。母は、もちろんのこと、担当医の先生と話がしたいとそれ以降も言い続けました。しかしそれは叶わず、結果的には何も聞けず仕舞い。病院は、父をしきりに転院、もしくは退院させたがっていたけれど、主治医から説明がないから母は納得できなかった。「先生から直接説明が欲しい」と訴え続けた母の行動は当然だと私は思います。この担当医の先生には、4ヶ月間、電話するといった約束を破るなど、患者家族から逃げ回っていただけの印象しか持ちえず、説明責任を果たしてもらえなかったことがとても残念です。

通院が必要な状態なのか

退院直前になって突然言われた「再発するかもしれません」「S病院(地元の精神病院)へ必ず行くように」。「退院の直前に、父の容態が悪くなったとか、そういうことがあったのだろうか?」・・その可能性は捨てきれず、もしそうならば、S病院へ連れていった方がいう判断をしなければならないだろうと思いました。しかし、診療明細書には、1月~3月(入院2~4ヵ月目)の3ヶ月間、同じ薬「レミニール」が同じ量16mg(8mgの2錠)だけ出ていることが記録されており、そこに変化はありません。

「退院直前に、通院しないといけないような病状や変化が父にあったわけではないんじゃないかな」というのが、私たち息子夫婦の結論でした。

問題がひとつクリアになりました。続いて担当医から指摘された「再発の恐れ」、父のせん妄(急性一過性精神病性障害)の再発の可能性について、調べることにしました。

次に続く・・。


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