うつの症状「人の機嫌が悪いと不安になる」の原因と治し方 (2)

この人は、実家を離れた今でも、人の機嫌が少しでも悪そうだと、猛烈に不安になると言います。そして、自分に悪いとことはないか、と思ってしまうそうです。友達といても、会社にいても、気になるのは人の機嫌ばかり。そしてこの人は、とうとう鬱になってしまいました。 ...

「ご機嫌取りばかりしてることに、疲れちゃったんだと思います」。

カウンセリングを受け、自分の生い立ちが原因ではないかと気づいたそうです。「母と話をしました。私は、お母さんが機嫌悪そうだと、自分のせいだなって不安になったんだよ・・そう言いました」。

母親は言ったそうです。「私のせいにしないでよ」。この母親には、当時ほかに気になることがあったのだそうです。「それで機嫌が悪かっただけ。子供に対しては、常に優しくあろうと心がけてた。私はいい母親だ」という主張でした。

母親と話をして、この人のうつは治るところか一層ひどくなりました。「私は３０年近くも勝手に勘違いして、勝手にうつになったのか。私はバカなのか？！・・立ち直れないくらい落ち込みました」。

しかしこの人は、そこからもうひと回り強くなり、今は元気です。「子供だった私に罪はないと思うんです。子供は、親から愛されたり、嫌われたくないと思って生きています。私はバカな子供だったから勘違いしたわけじゃない。どうしたら親とうまくやれるのかを一生懸命考えながら生きていた、気の毒なくらいけなげな子供でした。母がそう思ってくれないなら、自分で自分に『がんばったね』って言ってあげようと思いました」。

今は、以前が嘘のように、人の機嫌が悪いと不安になることはないと言います。「人のご機嫌に、私が責任を感じる必要はないんだな、って気づいたんです。誰か暗い顔してる人がいたら、大丈夫？って聞きます。気になったら『私、何かした？　何かあるなら遠慮なく言ってね』とも。それが言えるようになって、私は変わりました」。

この人のうつは、今ではすっかりよくなっています。

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うつの症状「人の機嫌が悪いと不安になる」の原因と治し方 (2)