卑屈を治す方法 (2)

「『ありがとう』って言うとき、申し訳なさそうだよね」。はっとしたそうです。「確かに私は、人に何かをしてもらったとき、口ではありがとうと言いつつ、心の中で、申し訳ない、とか、いつかお返ししなくちゃ、とか、思ってました」。 ...

「そんな風に思う必要ないんじゃない、って言われたんです。目から鱗でした。私は、何かしてもらっても、こんな自分のために・・って心のどこかで思っていた気がします。卑屈だったと思います」。

この人はそれ以来しばらくの間、「ありがとう」を封印し、その代わり「うれしい！」と言うようにしたと言います。「ありがとうと言うと、今までの習慣からか、どうしても申し訳なさが湧いてきてしまう。だから、うれしい！とだけ言うようにしたんです。それでも気持ちは十分伝わるんじゃないかなって思ったんです」。

２週間ほどで、人から何かしてもらったとき「申し訳ない」「こんな私なのに・・」と思う気持ちが消えたと言います。「今は、ありがとうも言います。でも以前の卑屈になってる『ありがとう』とは違います。それを言うとき、私は人から大切にされていい存在なんだなと、幸せな気分になります」。

今でもたまに「どうせ」と思うこともあるそうです。「でも前と比べれば、随分減ったと思います。前は１００％できてないとダメな気がして、どうせできない・・って卑屈になってたけど、今は違うんです。ちゃんと進歩できてる！私スゴイ！って前向きです」。