監視されてるみたい..子供を管理したがる母親 (2)

大学生になって、付き合っていた彼から「○○ちゃん（私の名前）は、お母さんに何でも報告するんだね」と言われてドキリとしたことがあります。私は、母に詮索されたり叱られるのが嫌で、どこに行って、どんな話をして、彼がどういう人なのか報告していたのです。そうするのが、母から余計な詮索をされない近道だと学習してきているから。 ...

「私の感覚は、ちょっとおかしいのかも」と初めて気づいた瞬間でした。私はそれ以来、デートの様子を母にあまり報告しなくなりました。母はますます知りたがりました。私と彼がどの程度深い「関係」になっているのか、そんなことまで詮索されました。その彼と結婚を前提として付き合い始めたときには、彼が「不能」ではないかということまで知りたがりました。

親だからって、いくら心配だからって、子供のすべてを知りたがるもんじゃない。私は、母の所有物じゃないのです。母は「子供をひとりの人として扱う」という感覚が希薄、いえ皆無な人でした。

だから、私が自立すればするほど、母の機嫌は悪くなりました。私が自分の価値観や世界を持つようになると、母の知らないことや理解できないことが増えてくる。母にはそれが耐えられないようでした。私は「裏切り者」「親不孝者」のレッテルを貼られ、そしてその原因は「彼」今の夫だということに母の中で結論づけられました。

親を大事にしようと思えば、夫が悪者になる。夫との生活を守ろうと思えば、親の気分を害してしまう。親か夫か、どちらかを選ばなければならないなんてナンセンスだけれど、そうせざるを得ない現実が私にはありました。私は親と縁を切りました。

おかしな親だったと思います。典型的な『毒親』だと思います。でももし、私の方にも何か落ち度があるとするならば、反抗期がなかったことかな、と思います。母に何でも報告して波風立てずにうまく立ち回っていたあの思春期の頃に「勝手なことしないでよ！」「それはプライバシーの侵害！」と思いっきりぶつかっていれば、私の両親も子供への認識や付き合い方を改められたかもしれません。

残念だけれど、これが私たち親子の形。いいことばかりじゃなかった私の人生。楽しいことだけじゃなく悲しいことや辛いことも、すべて自分の人生の一部なんだと受け止め、心穏やかになりました。

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