子供を多重人格(解離性同一性障害)にした毒母 (2)

子供を多重人格(解離性同一性障害)にした毒母 (2)

4か月ほどが過ぎた頃、このままだと私は、空想の世界に現実逃避したまま帰ってこれなくなるかもしれない、と危機感を感じ始めました。空想の世界での出来事をノートに書き、現実の世界でそれを読み直し、空想の世界と現実の世界を切り離そうとしました。なんとか空想の世界を終わりにしなければ、と思っているうちに、ある日突然、空想の世界で愛するダンナ様が病気になり、看病のかい叶わず死別し、日本に戻ってくるストーリーを生き、本当に喪失してしまったかのように何日も何日も泣き、放心状態になり、そこから空想の世界に逃げ込むことが少なくなっていきました。 ...

私は今、ちゃんと現実の世界を生きています。私を回復させてくれたのは、『毒になる親』という本でした。それを読んで、私の現実逃避は、母の言った「牛の世話をするためにあなたを育てたんじゃない」という言葉が原因だったと気づいたのです。そこから、私の現実世界の「修復」が始まりました。

私は小さい頃から、優等生タイプでした。教育熱心な母の元、中高一貫校で過ごしました。成績も素行もよかった私は、両親の期待の星でした。私は、親の期待に応えようとしながら大人になりました。親の誇りであることが、自分の誇り、自分のアイデンティティの一部になってしまっていたのだと思います。

本当に自立できている人だったら、私のように「死にたい」とまではならなかったのかもしれません。しかし、そうやって育ってきている私にとっては、母の言ったひと言は、自分の存在を根底から覆されるようなショックなひと言だったのだと思います。

毒親の洗脳を解く過程で、私は夫に、この数か月、私に何があったのか話をしました。母から言われたあのひと言のことも。夫はサラリと言いました。「自分の仕事を、あなたから侮辱されたら傷つくけど、ご両親に言われてもなんともない」。いい人でよかった、と思いました。そして「自分」がちゃんと確立できている人は、強いんだな、と思いました。

夫を見ていると、私はこの人と今、自分の人生のストーリーを生きているのだなという熱い思いが湧き上がることがあります。私は、自分が思っていたよりも、親に恵まれない苦労人でした。傷だらけでボロボロだけど、これが私の本物のストーリー。「こんな人生も悪くない」。毒親の本に書いてあった自分の人生を生きるってこのことかな、とわかりかけてきたところです。


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