見栄っ張り!世間体を気にする母親 (2)

見栄っ張り!世間体を気にする母親 (2)

母は、世間体を気にする人でした。 ...

私はいわゆる優等生タイプ。成績(そこそこ)優秀。礼儀正しくしっかり者。そんな私が、重いうつ症状に陥ったのは、30歳のときでした。

母は私が子供の頃から、テストの点が悪かったり、問題を起こすと「そんなんじゃ、お母さん恥ずかしくて外歩けないわ・・」などとひどく悲しそうな顔で言う人でした。私は次第に「お母さんに恥をかかせちゃいけない」と、母のために必死に優等生を演じるようになりました。

思えば私は、自分の好きな髪型にしたこともなければ、好きな服を着たこともない。いつも母のお仕着せでした。自己主張したことがないわけじゃない。でも、母の意に反することをしても、下品だの、似合わないだの、否定されるだけなので、私は抵抗しなくなったと思います。

私が理想どおりの娘であれば、母は上機嫌で、私を褒めちぎります。そうでないと、批判されたり、「お母さんガッカリよ」などと落ち込まれたり。私は母に、「理想の娘」になるように、たくみに洗脳されていきました。

私は、30歳を過ぎて、うつになりました。自分が何者なのかわからない。何のために生きているのかわからない・・そんな感覚が抜けず、生きているのも辛くなってしまったのです。感じるのは、強い虚無感と無価値感。原因を探っていくうちにたどり着いたのが、「毒親」の本でした。そこには、私とそっくりな例が書いてありました。

原因がわかってよかったものの、当時の私は、とにかくショックでした。私がこれまでしてきたことは、「母のために生きる」であって「自分の人生を生きる」ではなかったんだ、と気づいたとき、取返しの付かないことをしてしまったように感じました。「私はこれまで、何をしてたんだろうか・・」と消えて無くなってしまいたくなりました。人生を最初からリセットしてやり直したいと思いました。

親身になってくれた友達に、私は救われました。話を聞いてくれました。泣かせてくれました。その人がいてくれなかったら、私は一体どうなっていただろうかと思います。

その友達とは、その後結婚し、今は「夫」です。私の生い立ちを知っている夫。これからは、自分のために生きよう、と思ってはいるし、夫も応援してくれています。でも、親に尽くすだけの子供時代を送ってきた私にとって、「自分のために生きる」より、「誰かに尽くして生きる」方が楽で自然なんだよなぁとよく思います。油断すると自分を犠牲にして夫に尽くし、それで安心している自分がいる・・。「彼(夫)はうちの親とは違うんだ。私が私の人生を悔いなく生き、人生を楽しむことを、彼は何より望んでくれている・・」と言い聞かせる毎日。それでも、もう自分が無価値だとは思わない。少しずつ私は毒親から回復していると思います。

普通の人が普通にできることが、私のような毒親育ちにはひどく難しいことがある。子供の頃に身についた行動や思考のパターンを軌道修正することは生易しいことではない、それゆえ毒親の問題は根深い、つくづくそう思います。


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